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内容のポイント Q&A
Q1 高次脳機能障害児の現状は?
小児の高次脳機能障害は,外傷性脳損傷や脳血管障害,脳炎・脳症,低酸素脳症,脳腫瘍等が原因で生じ,注意障害や記憶障害,遂行機能障害,感情コントロール低下等,多様な症状を呈する.脳の可塑性を含めた回復と発達が同時進行し,成長するにつれて障害が顕在化することもある.二次障害の予防に努め,評価や支援はライフステージに応じ長期的に行うことが重要である.
Q2 医療機関と教育機関の連携のあり方は?
入院中は状態に応じて院内学級や訪問教育,ICT活用により学習機会の保障を検討する.退院後の復学に向けて,試験登校や支援会議を通じ,障害特性に応じた合理的配慮を検討することが重要である.進級・進学に伴う環境変化や心理的負担が大きいため,個別の教育支援計画を定期的に見直し,特別支援教育コーディネーターや医療・福祉関係者と連携しながら長期的な支援を継続する必要がある.
Q3 専門職の役割は?
医療(Dr・Ns・PT・OT・ST・心理士・SW),教育(担任・養護教諭・特別支援教育コーディネーター),福祉(相談支援専門員・支援員)等,多職種による協働が不可欠である.保護者は大きな心理的負担を抱えており,共感的理解や丁寧な情報提供が求められる.家族会によるピアサポートも有効であり,同じ境遇の親同士が経験や工夫を共有し支え合うことで,家庭・学校・将来への適応を促す役割を果たしている.
Q4 今後,期待されることは?
教育・福祉関係者への普及啓発と,成人期への移行支援が重要である.各地で養成研修を受けた支援者の活躍が期待され,個別支援計画の質向上や未診断例の発見にもつながるのではないか.成人期への移行では就労支援や自己管理力の育成が課題であり,セルフアドボカシースキルを養い,成功体験を積み重ねることで自己効力感を高め,本人らしい自立的な社会参加を支援することが求められる.

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