特集 地域医療構想を踏まえた病院機能の選択
総論
データから考える地域医療構想の現状と課題
今村 知明
1
1奈良県立医科大学公衆衛生学講座
キーワード:
地域医療構想
,
医療・介護の需要
,
地域包括ケアシステム
,
新型コロナウイルス
,
医療提供体制の整備
Keyword:
地域医療構想
,
医療・介護の需要
,
地域包括ケアシステム
,
新型コロナウイルス
,
医療提供体制の整備
pp.22-25
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211336
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■地域医療構想の目的
ピークを迎える高齢者数と医療需要総量
2025年を見据え,わが国はこれから大きな変化を迎える.総人口は減少しているにもかかわらず,慢性的な疾患を抱える高齢者や要介護人口は,近年10年足らずで1.5倍という凄まじい早さで増加する.社会を支える若い世代や財源は減少し,医師や看護師の数も到底足りなくなる.2025年,団塊の世代は後期高齢者となるため医療・介護の需要が著しく増大する.人も財源もなく,この課題にどう対応するかが日本にとって最大の問題となる.
地方の高齢化はすでに進んでいるのだが,これからは地方から都市部に出て働き,住まいを構えてきた,いわゆる団塊世代の多くが,そのまま都市部で後期高齢者となる.すると,高齢者の医療・介護の需要を都市部で受け止めきれず,近隣地域に医療・介護が必要な人々が溢れ出てしまう.
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