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特集 大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療
第3章 特殊な大腿骨近位部骨折の手術とリハビリテーション治療,合併症
インプラント周囲骨折の手術とリハビリテーション治療,合併症
Peri-Implant Fracture Surgery and Rehabilitation Therapy and Postoperative Complications
神田 章男
1
Akio Kanda
1
1順天堂大学医学部附属静岡病院整形外科
キーワード:
インプラント周囲骨折
,
人工股関節再置換術
,
骨接合術
,
リハビリテーション
Keyword:
インプラント周囲骨折
,
人工股関節再置換術
,
骨接合術
,
リハビリテーション
pp.710-715
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034070710
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内容のポイント Q&A
Q1 人工股関節全置換術やSFN術後の大腿骨近位部骨折の手術方法は?
人工股関節全置換術や人工骨頭挿入術後のインプラント周囲骨折は骨折部位とポーラス,セメントとの位置関係によりBaba分類を用いて骨接合術や人工股関節再置換術等を組み合わせて治療を行う.Short femoral nail(SFN)の場合,Chanの分類に従う.治療方針は骨折部位と骨折の癒合が得られているかで決まる.癒合が得られている場合は基本的にインプラント抜去後,骨折部位に適したnailに変更する.骨癒合が得られていない場合,両方の骨折に対して同時に骨接合が可能な長いnailを選択するか,6 cmルールをクリアできれば大腿骨遠位プレートを選択してもよい.
Q2 インプラント周囲骨折に対する後療法は?
人工股関節再置換術を行った場合は基本的に翌日から全荷重可能であり,subsidenceのチェックで術後4週まで週1回のX線画像の確認が必要である.骨接合術の場合は,骨折形によるが,骨癒合の確認ができてからの全荷重が望ましい.術後6週まで週1回のX線画像による転位と仮骨形成の確認が重要である.
Q3 インプラント周囲骨折における注意すべき合併症は?
人工股関節再置換術後の合併症にはステムの沈下,脱臼,感染等が挙げられる.骨接合術は感染,偽関節によるインプラント折損,変形癒合に注意が必要である.

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