特集 大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療
◉巻頭カラー 大腿骨近位部骨折の診断と分類 up-to-date
大江 啓介
1
1神戸大学医学部附属病院 整形外科
キーワード:
大腿骨頚部骨折
,
大腿骨転子部骨折
,
大腿骨転子下骨折
,
診断
,
分類
Keyword:
大腿骨頚部骨折
,
大腿骨転子部骨折
,
大腿骨転子下骨折
,
診断
,
分類
pp.658-668
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034070658
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
本稿で述べる大腿骨近位部骨折は低エネルギー外傷で発生する高齢者の骨折を前提とする内容であることをご了承いただきたい.
高齢者大腿骨近位部骨折治療の目標は,1日も早く受傷前のADLに回復させることである.そのためには,①正確な診断を下し,②早期に適切な治療(手術)を行い,③リハビリテーション介入することが重要である.しかし,高齢者にはさまざまな併存症や既往歴(認知症等),それに術後せん妄の発症リスクがあること等から,目標の達成には近年注目されている多職種連携が重要な役割を果たす 1).①の正確な診断には全身状態と局所状態の把握があり,多職種連携が十分に機能していれば,全身状態の把握と管理を当該診療科(老年内科や総合内科)に担当してもらうことで,われわれ整形外科医は局所の診断と,②早期に適切な手術を行うことに注力することができ,③リハビリテーション介入へとスムーズにつなげられると考える.次に大腿骨近位部骨折の正確な診断と適切な手術を行うための分類について述べる.

Copyright© 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.