Japanese
English
特集 脳卒中上肢機能の徹底改善
神経筋電気刺激療法
Neuromuscular electrical stimulation
川上 途行
1
,
伊藤 大将
1
Michiyuki Kawakami
1
,
Daisuke Ito
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
肩関節亜脱臼
,
運動麻痺
,
HANDS療法
Keyword:
肩関節亜脱臼
,
運動麻痺
,
HANDS療法
pp.715-721
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203160
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はじめに
神経筋電気刺激(neuromuscular electrical stimulation:NMES)は,経皮的に外部電流を流すことで,神経支配された筋の収縮を生じさせる手技である.NMESは,患者の主体的な参加の有無にかかわらず適用できることが特徴である.患者の参加が受動的な場合,つまり筋収縮を補助するための自発的な努力を必要としないタイプのNMESを周期的NMES(cyclic NMES)と呼ぶ.一方,標的筋の電気刺激が,同じ筋または別の筋の自発的なEMG(筋電図)活動によって直接制御または誘発されるタイプのNMESはelectromyogram-triggered/controlled neuromuscular electrical stimulation,もしくはelectromyogram-related neuromuscular electrical stimulationと呼ばれ1,2),EMG-NMESと略される.
脳卒中患者に対するNMESは,本邦の脳卒中治療ガイドライン3)においても,上肢機能障害に対する治療として推奨されており(表1),臨床場面でも行われることが多い治療法である.一方で,運動麻痺患者に対するNMESは,治療目的,対象とする部位(筋肉)の選択,刺激の種類など,使用法が多岐にわたる.そのため,本稿では治療部位や目的別に上肢麻痺に対するNMESについて概説する.
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