未知なる発酵食を訪ねて―フィールドワークからみる食と文化⑤
北東インド・ナガランドの発酵食文化
横山 智
1
Satoshi Yokoyama
1
1名古屋大学大学院 環境学研究科
pp.674-675
発行日 2026年5月1日
Published Date 2026/5/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn148050674
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日本人にそっくりなナガランドの人々
インドに来ているはずなのに,日本にいるような気分になる.日本人と見分けがつかない顔立ちの人に何度も出会うからだ.ここは北東インド・ナガランド州のモコックチュン.丘陵の斜面に家々が並ぶ小さな町である.
私は2025年5月,研究仲間とともに,北東インドのナガランドで開催された国際会議に招かれた.北東インドは,8つの州から成る(図).かつてこの地域を外国人が訪れるには,保護地域許可証(PAP)と呼ばれる特別な許可が必要だった.2010年には一部地域でその規制が緩和されたが,隣国ミャンマーの情勢不安などを背景に,2024年からふたたびPAP取得が求められるようになった.そのため,観光目的でこの地を訪れる旅行者はいまでも非常に少ない.
ナガランドには,およそ20の民族が暮らしている.ヒンドゥー教徒が大半を占めるインドの中で,ここでは約9割がキリスト教徒である.また,彫りの深い顔立ちのアーリア系の人々とは異なり,ナガランドの人々はモンゴロイド系で東アジアの人々に近い顔立ちをしている.北インドとは民族的にも文化的にも大きく異なる地域である.
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