ザ・トレーニング
非発酵菌の同定
山中 喜代治
1
,
井上 伸
2
1大手前病院中央検査科細菌検査室
2大阪府済生会吹田病院臨床検査科
pp.508-511
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205597
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検査材料から菌を取り出し(分離),純粋に養い育てた(純培養)菌株は,分離培地の種類とその発育状況からある程度は推定可能であるが,その段階で菌名を特定することができない.さらに各種性状試験成績からすでに命名されているどの菌種に一致するかを決定する.これが同定であり,グラム陰性桿菌の同定では,まず菌の生育と酸素との関係,運動の有無と鞭毛の位置と数,発育因子の要求性で大別される.EnterobacteriaceaeやVibrionaceaeなど通性嫌気性菌の多くは解糖酵素系を備えており,無酸素状態でもブドウ糖を分解(発酵)してよく発育する.これに対し,偏性好気性菌は解糖酵素系がなく,ブドウ糖を発酵しないためにブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌(非発酵菌)と呼ばれ,この中にブドウ糖を酸化分解するものとしないものとがある.
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