未知なる発酵食を訪ねて―フィールドワークからみる食と文化①
ラオスで納豆発見
横山 智
1
Satoshi Yokoyama
1
1名古屋大学大学院 環境学研究科
pp.86-87
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn148010086
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照葉樹林文化論と納豆
1960年代後半,西日本から,朝鮮半島,中国南部,東南アジア大陸部を経由してヒマラヤに至る照葉樹林帯に住む民族には,共通の文化が存在するという学説「照葉樹林文化論」が発表された.その文化論では,納豆やナレズシのような日本発祥と思われていた発酵食も,照葉樹林帯に分布していることが紹介された.
そして2000年,私はラオス北部で納豆を見つけた.電気も来ていない山村での調査を終えて世界遺産都市ルアンパバーンに戻り,晩ご飯を夜市で物色していたときのことであった.透明なビニール袋に入った茶色い豆が雑然と置かれた屋台を見つけた(写真1).私はすぐに,それが「照葉樹林文化論」で取り上げられていた納豆だと確信した.迷わず茶色い豆を一袋,そしてご飯を買った.当時,私はラオスに長期滞在していたので,久しぶりに「納豆ご飯」を食べようと思ったのだ.
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