Break 日本の管理栄養士・栄養士たちのグローバルチャレンジ―JICA栄養士隊員の活動を通じて④
マラウイ共和国での活動を通じて
浜中 咲子
1
Sakiko Hamanaka
1
1雪の聖母会 聖マリア病院/認定NPO法人ISAPH
pp.665-667
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147050665
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なぜ協力隊に応募したのか?
私が協力隊に参加をしたきっかけは,進路に悩む高校3年生の春に出会った一冊の本でした.幼少期から調理が好きだったので,「食」にちなんだ職業に就きたいと思っていました.そんなときに,高校の図書館で,栄養士の職業紹介の本を見つけ,協力隊員として活躍した栄養士のエピソードを読みました.そこには,派遣先の現地の人たちは食事と健康との関連が結び付かず,病気を治すのは病院での治療や薬のみであるという思い込みがあり,それが食習慣の改善活動の課題になっていると書かれていました.
その本を読んだときに,日本とかなり異なった環境の国があることに驚きました.日本では,小学校から家庭科などの授業で,食物がどのように身体に影響するのか段階的に学びます.少し立ちくらみがして,貧血かな? と思えば,なんとなく「鉄分を多めに摂取しなければ」などと考える人も多いのではと思います.食生活が健康に影響するという知識がなく,不健康になってしまうという状況を知り,日本と同じように知識を得るチャンスがあれば……と考えました.そこから,私も途上国のどこかの地域で栄養士として働きたいと思い,いまに至ります.

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