素手でつかむ看護 心に残るマラウイでの生活・1
知らなかった国マラウイ
工藤 芙美子
1
1神奈川県立こども医療センター
pp.109
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919459
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マラウイはタンザニア,モザンビーク,ザンビアに囲まれた小さな農業国である.日本の1/3という国土面積の1/5をマラウイ湖が占めている.人口約600万人,数種族の人々が住んでいるためそれぞれ違った言葉を話すが,国語はチチエク語で,公用語は英語である.私が日本を発った時のマラウイに関する知識はまずこの程度であった.
1978年4月初旬,スリランカーセイシェルーケニア経由でマラウイに入った.空から見たマラウイは真っ暗で,電気のない国に来たことを実感した.まず目についたのが,バンダ大統領の顔がプリントされた,赤・青・黄・緑地の民族衣装を着た女性たちだった.彼女たちは村や町から集まり,衣装の色別に分かれてトラックに乗り,歌いながら大統領の移動する度に出かけて行く.
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