重症心身障害児者・医療的ケア児者の食と栄養ケア実践ガイド
【Part.7 トピックス】術前栄養介入
天江 新太郎
1
Shintaro Amae
1
1仙台エコー医療療育センター
キーワード:
潜在的低栄養リスク
,
誤嚥防止術
,
胃瘻造設術
,
噴門形成術
,
経腸栄養
Keyword:
潜在的低栄養リスク
,
誤嚥防止術
,
胃瘻造設術
,
噴門形成術
,
経腸栄養
pp.570-574
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.32118/cn147040570
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1 重症児者における術前栄養管理が必要な外科治療
重症心身障害は,脳障害に引き続きさまざまな合併症が起こる.これらの合併症では外科的な治療の介入が必要となることがあるが(表1),なかでも呼吸と栄養に関連する合併症に対する外科治療では,術前栄養介入が必要となることが多い.
呼吸障害では,上気道(咽頭・喉頭)狭窄に対して気道を確保する場合,呼吸不全により長期の人工呼吸器管理が必要な場合には単純気管切開術が選択される.しかし,嚥下機能障害による呼吸障害では,誤嚥性肺炎を防止しつつ気道を確保する必要があり誤嚥防止術(喉頭気管分離術や声門閉鎖術)が選択される.
嚥下機能障害があり経口摂取は困難であるが,唾液誤嚥は起こさない状態であれば胃瘻造設術の適応になる.食道裂孔ヘルニアなどが合併している症例では,その病態に合わせて噴門形成術などが付加される.

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