報告
骨せんべいの摂取によると疑われる小腸穿孔の症例
西村 雄二
1,2
Yuji Nishimura
1,2
1大阪府済生会中津病院 栄養部
2現大阪府済生会大阪北リハビリテーション病院 栄養管理室
キーワード:
魚骨
,
骨せんべい
,
嗜好食品
Keyword:
魚骨
,
骨せんべい
,
嗜好食品
pp.231-233
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn146020231
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消化管異物は通常,1週間以内に自然排泄されるが,まれに消化管壁を穿孔して合併症を引き起こす.魚骨を誤嚥した報告は散見されるものの,骨せんべい摂取が原因と考えられる消化管穿孔の報告は渉猟した限りない.今回,小腸穿孔の症例を経験したので報告する.80歳代男性,腹痛を主訴に救急要請された.身体所見では左上腹部に圧痛を認め,検査所見で炎症反応の上昇を認めた.CT検査では小腸間膜内に線状の高吸収域を認め,緊急手術を施行した.術後経過は良好で,術後第9病日に軽快退院した.食物による消化管穿孔の可能性も念頭に置いた,嚙むことに関する教育および啓発活動を行うことは重要であると考える.
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