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特集 人工冬眠がもたらす次世代医療に向き合う
冬眠における時計遺伝子発現の再編成
-――シマリス肝臓にみる深冬眠–中途覚醒サイクルと末梢時計の部分再起動
Reorganization of clock gene expression during hibernation
――Partial reactivation of peripheral clock gene expression in chipmunk liver during the deep torpor―interbout arousal cycle
塚本 大輔
1
Daisuke TSUKAMOTO
1
1北里大学理学部生物科学科分子生物学講座
キーワード:
シマリス
,
肝臓
,
深冬眠–中途覚醒サイクル
,
時計遺伝子発現
,
概日時計
Keyword:
シマリス
,
肝臓
,
深冬眠–中途覚醒サイクル
,
時計遺伝子発現
,
概日時計
pp.1084-1090
発行日 2026年9月19日
Published Date 2026/9/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298121084
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小型冬眠哺乳類では,冬眠期に深冬眠と中途覚醒が反復され,体温,代謝,遺伝子発現が切り替わる.本稿では,この深冬眠–中途覚醒サイクルに概日時計がどのように関与するかを,行動・体温,数理モデル,時計遺伝子研究から整理し,シマリス肝臓研究へとつなげる.これまでの報告を統合すると,サイクルの反復周期を多日性タイマーが規定し,概日時計が中途覚醒への移行や深冬眠への復帰の時刻を整える位相ゲートとして働くという時間制御の枠組みが示唆される.時計遺伝子レベルでは,深冬眠中に中枢時計や末梢時計の通常の発振が抑制され,中途覚醒時の復温により一部の時計関連遺伝子が再起動する可能性がある.シマリス肝臓では,熱ショック転写因子1(HSF1)を介したPer2誘導,Per1の復温前期上昇,RBM3とClock/Cry1 mRNAとの会合が示唆された.冬眠期の時計遺伝子発現は,概日時計の単純な継続ではなく,深冬眠–中途覚醒サイクルに適応した状態依存的な再編成として理解される.

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