Japanese
English
特集 制御性T細胞の多面的役割と臨床応用――免疫寛容からがん治療まで
はじめに
Introduction
堀 昌平
1
Shohei HORI
1
1東京大学大学院薬学系研究科免疫・微生物学教室
pp.745-745
発行日 2026年2月21日
Published Date 2026/2/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296080745
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
2025年のノーベル生理学・医学賞は,Mary E. Brunkow博士,Fred Ramsdell博士,そして坂口志文博士に授与された.受賞理由は “末梢性免疫寛容に関する発見” とされているが,その本質は “制御性T細胞(regulatory T cell:Treg)とそのマスター転写因子Foxp3の発見” にあるといえよう.1995年に坂口博士は,自己免疫寛容を担うTregのマーカーとしてCD25を同定した.続いて2001年にBrunkow博士とRamsdell博士は,致死的自己免疫疾患を呈するscurfy変異マウスおよびヒトIPEX(immune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked)症候群の原因遺伝子としてFoxp3を同定した.2003年にはこれら2つの研究が結びつき,Foxp3がTreg特異的分子マーカーであり,その分化と機能をつかさどるマスター転写因子であること,さらに機能的なTregの欠損がscurfyマウスにおける重篤な自己免疫疾患の原因であることが明らかとなった.今回のノーベル賞は,これら一連の発見を評価したものである.
Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

