特別企画 家族を単位とした分析視点と支援技術
健康問題解決過程における家族支援方法論の展開
はじめに
島内 節
1
,
伊藤 真由美
2
,
杉山 郁子
3
1国立公衆衛生院
2東京都練馬区石神井保健所
3静岡県清水保健所
pp.974
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206926
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はじめに
家族は,家族員相互のかかわりのなかで健康習慣を獲得したり,健康問題を解決したり,また,治療やケアの重要な基本的な単位である。一方,家族は心身の健康をむしばみ,破綻させ,疾病を発生させる単位でもある。健康習慣や個人の健康問題であっても家族生活は相互に深いかかわりがある。健康の獲得や健康問題の発生は生活過程に組み込まれ,またその生活過程の結果であったりする。そこで私達は,個人や家族が健康問題を生活過程に位置づけて,健康問題に主体的に取り組んでいくことや,セルフケアの拡大を目ざしていくこと,また,私達がそれに向けて家族を支援していく方法を明確にしていくことが必要である。
ところで,実際の看護教育や看護実践のなかでは,健康問題と家族のかかわりの重要性が強調されているにもかかわらず,家族を単位とした問題分析法,支援視点,評価視点を具体化して教育したり,それらの経験が積み重ねられているとはいいがたい。実際には断片的な知識や看護職個々人の努力や経験的積み重ねに委ねられていることが多いと思われる。
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