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第5土曜特集 革新する腎臓病学――臨床と研究の最前線
解剖・生理・基礎知識
腎血流・糸球体濾過の制御機構
Regulatory mechanisms of renal hemodynamics and glomerular filtration
西山 成
1
Akira NISHIYAMA
1
1香川大学医学部薬理学教室
キーワード:
腎血流
,
糸球体濾過量(GFR)
,
腎自動能
,
筋原反応
,
尿細管糸球体フィードバック(TGF)
Keyword:
腎血流
,
糸球体濾過量(GFR)
,
腎自動能
,
筋原反応
,
尿細管糸球体フィードバック(TGF)
pp.368-372
発行日 2026年1月31日
Published Date 2026/1/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296050368
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腎臓は体重の約0.5%にすぎないが,心拍出量の約20%を受け,血液を繰り返し濾過することにより体液恒常性を維持している.腎血流量は動静脈間の圧勾配と血管抵抗によって決定され,特に糸球体輸入細動脈および輸出細動脈の収縮・拡張が重要な役割を担う.糸球体濾過量(GFR)は濾過係数と糸球体内圧に依存し,血漿タンパク質濃度やボーマン囊内圧などによって変動する.これらを一定に保つ仕組みとして腎自動能(renal autoregulation)が存在し,その中心は筋原反応(myogenic response)と尿細管糸球体フィードバック(TGF)である.筋原反応は輸入細動脈の平滑筋が血圧変化に応じて自律的に収縮・拡張することで糸球体を保護する.一方,TGFは緻密斑(マクラデンサ)が尿細管液中のナトリウムイオンやクロライドイオン濃度を感知し,輸入細動脈の血管抵抗を調節することによりGFRを安定化させる.さらに,結合尿細管-糸球体フィードバック(CTGF)も機能し,TGFを補正する機構と考えられている.近年,SGLT2阻害薬やミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬がTGFを介して糸球体内圧を低下させ,腎保護作用を示すことが明らかとなり,腎循環制御機構の理解が臨床応用に直結することが示唆されている.

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