増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
1章 腎の病態生理
腎糸球体血行動態調節
城所 研吾
1
,
柏原 直樹
1
1川崎医科大学腎臓・高血圧内科学
キーワード:
尿細管糸球体フィードバック
,
筋原反応
,
自動調節能の破綻
Keyword:
尿細管糸球体フィードバック
,
筋原反応
,
自動調節能の破綻
pp.362-366
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203564
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はじめに
腎糸球体は独立した循環制御機構を有しており,糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)を一定に保つことで,内部環境恒常性(milieu interieur)維持を担う.糖尿病関連腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)を含む多くの腎疾患においては,この制御機構の破綻により糸球体高血圧・過剰濾過が生じる.糸球体高血圧・過剰濾過は腎障害進展の共通機序であると認識されており,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensin Ⅱ receptor blocker:ARB)やSGLT2(sodium glucose cotransporter 2)阻害薬の腎保護作用の1つに,この糸球体高血圧・過剰濾過の是正効果が挙げられる.腎糸球体血行動態を理解することは,病態を把握し,適切な治療を行ううえで重要となる.
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