Japanese
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特集 がんの支持療法と学際的連携
がん薬物療法における悪心・嘔吐管理
-――最新のエビデンスから紡ぐ戦略
Nausea and vomiting management in cancer chemotherapy
――Strategies based on the latest evidence
山田 友奈美
1
,
飯原 大稔
1
Yunami YAMADA
1
,
Hirotoshi IIHARA
1
1岐阜大学医学部附属病院薬剤部
キーワード:
がん薬物療法
,
悪心・嘔吐
,
制吐対策
,
トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)
,
ゾルベツキシマブ
Keyword:
がん薬物療法
,
悪心・嘔吐
,
制吐対策
,
トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)
,
ゾルベツキシマブ
pp.191-194
発行日 2026年1月17日
Published Date 2026/1/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296030191
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がん薬物療法における悪心・嘔吐は,抗がん薬の催吐性リスク分類に応じた制吐薬の予防投与によって可能なかぎりコントロールを行い,患者の生活の質(QOL)の低下を防ぐ必要がある.近年では新たなメカニズムの抗がん薬の登場に伴って,悪心・嘔吐に関連した安全性のプロファイルも多様化してきた.その例として,HER2を標的としたトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は,遅発期以降の制吐コントロールのさらなる改善が課題であり,従来以上に長期的な症状の観察や制吐対策の強化が求められる.また,抗クローディン(CLDN)18.2モノクローナル抗体であるゾルベツキシマブは,高頻度かつ重度の悪心・嘔吐が発現し,これには胃粘膜の損傷が関連するとの報告がある.ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗薬およびデキサメタゾンを含めた制吐対策やゾルベツキシマブの適切な投与速度設定が,今後の制吐コントロール向上の鍵となるであろう.抗がん薬ごとの特性に応じた戦略的対応がより一層重要となる.

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