Japanese
English
TOPICS 内科学/心身医学
心因性発熱:経過観察は解決策ではない.積極的に治療すべき高体温症
Psychogenic fever:watch and wait is not a solution. It’s a hyperthermic condition that we should actively treat
岡 孝和
1,2
Takakazu OKA
1,2
1国際医療福祉大学クリニック内科
2同医学部心療内科学
pp.152-153
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296020152
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心因性発熱とは,心理的ストレスによって実際に,その人の平熱の範囲内を超えて,あるいは発熱と判断する温度以上の高体温を生じる疾患である1).あらゆる年齢層でみられる心身症であるが,小児科を受診する患者では13歳前後にピークがあり,内科を受診する患者では20~40代の女性が多い.ただし,最近は老老介護がストレス要因と考えられる高齢患者も多くみられる.心因が明らかで,登校や口論などの情動ストレス負荷時に一過性に顕著な高体温(~41℃)を生じ,その後は急激に平熱化する場合もあるが,小児では神経発達症患者の学校生活への適応困難に関連して2),成人では過労,睡眠不足のなかで家族の心配事が重なるなど慢性的に複合的なストレスに曝露されるなかで,微熱程度の高体温(37~38℃)が生じるようになり,長期間持続する場合もある.慢性的に高体温が続く患者のなかには,下校や入院など,ストレス状況から回避できると速やかに平熱化する者もいるが,ほとんどの場合,慢性ストレス状況が解消しても,高体温はしばらく持続する.また慢性ストレス状況で体温が頻回に発作性に上昇し,間欠熱や弛張熱の熱型を示すこともある3).さらに心因性発熱患者は精神的ストレスとなるような陰性情動だけではなく,楽しくて喜んだとき,立位状態が続いたとき,認知的ストレス(集中力を要する細かな精神的作業)によっても高体温を生じうる.実験動物を用いた研究でも,急性,慢性ストレスの体温(核心温)に及ぼす影響,そのメカニズムが詳細に検討されている(表1).
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