バイタルサイン・14
体温[3]—発熱—1
岡安 大仁
1
1日本大学医学部
pp.484-485
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919225
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発熱は,自覚的にはまず寒気あるいは悪寒戦慄としてとらえられる.その後,顔のほてりや身体の熱感を感じてくることが多い.発熱を定義づけると,体温調節中枢の働きに異常が発生し,そのために体温が高められた状態ということになる.
体温調節中枢は視床下部にあるが,ここが刺激されると体温のレベルが高まる.そして高体温になるが,これが急激に起こると,悪寒やふるえや立毛がみられるようになる.そのようにして体熱を産生し,放散を妨げているわけである.このような体温調節中枢の刺激はいろいろのことで起こるものである.
例えば脳の出血や腫瘍による機械的刺激,外傷による圧迫,また細菌や組織の分解産物が血流によって運ばれ,これが化学的に刺激となる(化学的刺激),このような感染の際に動員される白血球の分解産物や甲状腺ホルモン(サイロキシン),セロトニンなどの内因性化学物質も発熱物質である
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