2色ページ 症状の病態生理・11
体温と発熱
中野 昭一
1
1東海大学生理学
pp.222-225
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916951
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カエルや魚類などの冷血動物では,外界の温度によって体温が変動する.しかし,ヒトを含めて温血動物では常に外界の温度より体温が高く,しかも,ほぼ一定に維持されているのが普通である.
すなわち,寒い時に鳥肌が立ったり,寒けからふるえが止まらなかったり,また,暑い時や運動後に玉のような汗をかく,などという現象は,私たちの体の中でその体温を一定に保つために,大きな努力をしている現れであるといえる.これは,体内で産生されている熱と,体から外に逃げていく熱との動的平衡を保つために,ある時は筋肉のふるえによって熱を産生し,鳥肌によってその放散を防ぎ,ある時は発汗によって熱の放散を促進させているわけである.
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