Japanese
English
特集 全身疾患の新たな危険因子としてのマイクロ・ナノプラスチック
マイクロ・ナノプラスチックの人体への侵入とその機序
The entry of MNPs into the human body and its mechanisms
金子 昌平
1
,
酒井 康行
1
Shohei KANEKO
1
,
Yasuyuki SAKAI
1
1東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻
キーワード:
マイクロ・ナノプラスチック(MNPs)
,
侵入経路
,
全身曝露
,
マクロファージ
Keyword:
マイクロ・ナノプラスチック(MNPs)
,
侵入経路
,
全身曝露
,
マクロファージ
pp.122-127
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296020122
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
マイクロ・ナノプラスチック(MNPs)は,消化管・肺・皮膚という曝露三経路を介して体内に侵入し,血管やリンパ管を通じ全身へ移行する.消化管では上皮細胞やM細胞を経て吸収され,肺では粒径に応じて沈着し,マクロファージにより貪食・保持・一部排出され,それを回避したものが上皮細胞を経て吸収される.皮膚吸収はまれであるが,毛包経路や免疫細胞を介して全身循環系に移行する場合がある.体内に埋め込まれた医療機器の摩耗による生成も報告されており,局所炎症や全身曝露を引き起こす可能性がある.腎臓や肝臓を通じた排泄は非常に小さなものを除き困難であるため,さまざまな臓器への蓄積が進行する.臓器に移行したMNPsの運命には,臓器内在性のマクロファージが深く関与する.マクロファージによるMNPsの直接的な貪食や,MNPsを取り込んだ死細胞の貪食による細胞間継承により,体内での長期残留が生じうる.人体への侵入と体内動態を経たさまざまな臓器への蓄積機構の定量的な理解は,今後のリスク評価に不可欠である.

Copyright © 2026 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.

