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Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 295, Issue 9 （November 2025）

医学のあゆみ 295巻9号（2025年11月発行）

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第5土曜特集心不全診療の未来戦略――ゲノム，AI，多臓器連関が拓く新時代

心不全の診断・治療のトピックス　State-of-the-art developments and future prospects

冠微小循環障害の視点から探る心不全のメカニズム Exploring the mechanisms of heart failure from the point of view of coronary microvascular dysfunction 武井康悦 ¹ Yasuyoshi TAKEI ¹ ¹東京医科大学循環器内科学分野キーワード：冠微小循環障害（CMD） , 心不全 , 病態生理 , 診断 Keyword: 冠微小循環障害（CMD） , 心不全 , 病態生理 , 診断 pp.888-891

発行日 2025年11月29日 Published Date 2025/11/29

DOI https://doi.org/10.32118/ayu295090888

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　冠微小循環障害（CMD）は，心外膜冠動脈より末梢側の循環に関連した病態の総称であり，心不全の病態形成と予後に密接に関与する．CMDは内皮依存性および非依存性の機序を介して冠血流予備能（CFR）を低下させ，心筋虚血，心筋細胞の脱落と間質の線維化を介して左室の収縮障害および拡張障害を惹起する．CMDの診断は，侵襲的なCFR計測あるいは冠微小血管抵抗（IMR）測定や，PET・心臓MRI（CMR）などの非侵襲的イメージングにより行う．治療は生活習慣・併存症管理に加え，血管内皮機能やNO-cGMP-PKG経路の回復を目指した戦略が提案されているが，なお進展途上である．心不全パンデミックにおいて，病態メカニズムに占めるCMDの理解は極めて重要である．