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第1土曜特集 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線
超音波医療の最先端
循環器領域と神経領域における低出力パルス波超音波治療の開発
Development of low-intensity pulsed ultrasound therapy for the ischemic heart disease and Alzheimer’s disease
進藤 智彦
1
,
下川 宏明
1
Tomohiko SHINDO
1
,
Hiroaki SHIMOKAWA
1
1東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野
キーワード:
超音波治療
,
虚血性心疾患
,
アルツハイマー病(AD)
Keyword:
超音波治療
,
虚血性心疾患
,
アルツハイマー病(AD)
pp.1002-1008
発行日 2025年9月6日
Published Date 2025/9/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294101002
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超高齢社会の進展に伴い,虚血性心疾患やアルツハイマー病(AD)は,その罹患率や医療経済負担が増大の一途をたどっている.低出力パルス波超音波(LIPUS)は,照射した局所組織において血管内皮増殖因子や内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の分泌を促進させる.LIPUSによる組織の血管新生効果や内皮機能障害の回復効果を期待して,東北大学循環器内科では虚血性心疾患の新たな治療手段として,LIPUS治療を開発してきた.重症狭心症を対象とした探索的医師主導治験では,対照群と比較して有意な差を認めなかったものの,一部の症例において治療効果が認められ,今後の展開が期待されている.さらに近年,筆者らはADにおける脳の微小循環障害に対して,このLIPUSが効果を発揮しうると考えた.本稿では,LIPUSを用いた革新的超音波治療の開発について,東北大学循環器内科での取り組みの一端を概説する.

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