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第1土曜特集 頭痛診療の新潮流――神経科学の進歩がもたらす治療戦略
片頭痛の病態・診断・治療
片頭痛の急性期治療戦略
Acute treatment strategy for migraine
松森 保彦
1
Yasuhiko MATSUMORI
1
1仙台頭痛脳神経クリニック
キーワード:
片頭痛
,
トリプタン
,
ジタン
,
ゲパント
,
ニューロモデュレーション
Keyword:
片頭痛
,
トリプタン
,
ジタン
,
ゲパント
,
ニューロモデュレーション
pp.361-366
発行日 2025年8月2日
Published Date 2025/8/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294050361
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片頭痛の急性期治療の基本は薬物療法である.現在,国内で使用可能な治療薬は,解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),悪心・嘔吐などの随伴症状に対する制吐薬,さらには5-HT1B/1D受容体作動薬のトリプタンであるが,新たに5-HT1F受容体作動薬であるジタンが加わった.今後は,ゲパントやニューロモデュレーションの上市も見込まれており,治療の選択肢はさらに広がると期待される.一方で,エルゴタミンは国内での販売が中止となっている.片頭痛の急性期治療においては,支障度を適切に評価したうえで,stratified care(層別治療)とよばれるアプローチに基づき,適切な薬剤を選択することが推奨される.また,随伴症状や過去の治療歴,既往歴,生活背景,さらには妊娠や授乳の有無なども考慮し,患者一人ひとりに応じた治療戦略を立てることが重要である.

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