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第1土曜特集 頭痛診療の新潮流――神経科学の進歩がもたらす治療戦略
片頭痛の病態・診断・治療
片頭痛の分類と診断基準
Classification and diagnostic criteria for migraine
中野 俊也
1
Toshiya NAKANO
1
1鳥取大学医学部地域医療共育推進室
キーワード:
国際頭痛分類(ICHD)
,
前兆のない片頭痛
,
前兆のある片頭痛
,
慢性片頭痛
Keyword:
国際頭痛分類(ICHD)
,
前兆のない片頭痛
,
前兆のある片頭痛
,
慢性片頭痛
pp.357-360
発行日 2025年8月2日
Published Date 2025/8/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294050357
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片頭痛の分類と診断基準は,疾患概念や病態の理解の進展とともに変遷を遂げてきた.現在,「国際頭痛分類第3版」(ICHD-3)が広く使用されており,「頭痛の診療ガイドライン2021」においてもICHD-3に準拠した診断が推奨されている.ICHD-3では,一次性頭痛を片頭痛,緊張型頭痛,三叉神経・自律神経性頭痛,その他の一次性頭痛疾患の4グループに分類し,各グループはさらに階層的なコード体系で細分化されている.ICHD-3における片頭痛の主要なタイプは,前兆のない片頭痛,前兆のある片頭痛,慢性片頭痛の3つである.前兆のない片頭痛が前兆のある片頭痛よりも有病率が高い.前兆のある片頭痛は視覚・感覚・言語症状などの前兆を伴い,前兆の種類に応じてさらに細分化される.慢性片頭痛は頭痛が月に15日以上かつ片頭痛様頭痛が月に8日以上起こる場合に診断される.片頭痛の診断には,ICHD-3の診断基準を適切に使用するとともに,わかりやすい表現を用いて患者の症状を詳細に聴取することが重要である.

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