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特集 造血器腫瘍の遺伝子パネル検査の臨床的意義――診断精度向上,予後層別化,個別化治療への応用
はじめに
Introduction
赤司 浩一
1,2
Koichi AKASHI
1,2
1九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
2同生命科学革新実現化拠点長
pp.1113-1113
発行日 2025年6月21日
Published Date 2025/6/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293121113
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- Abstract 文献概要
2019年に,標準治療が終了した固形がん患者に対する分子標的選択の手段として,遺伝子パネル検査が保険収載された.一方で日本血液学会では2017年頃から,固形がんとは別立てで,造血器腫瘍に特化した遺伝子パネル検査が必要であることを,丁寧に厚生労働省に説明してきた.造血器腫瘍においては,診断・治療法の選択・予後予測など実臨床につながる遺伝子異常情報が集積しており,固形がん遺伝子パネル検査ではそれらの遺伝子がカバーされていないこと,造血器腫瘍における分子標的として重要な融合遺伝子を網羅的に検出できないことなどがその理由である.これを受けて大塚製薬は,国立がん研究センター,京都大学,九州大学,名古屋医療センターなどと共同で造血器腫瘍遺伝子パネル検査の開発に取りかかり,2024年9月20日に造血器腫瘍遺伝子パネル検査(体外診断用医薬品,医療機器プログラム)“ヘムサイト®” がようやく薬事承認され,2025年3月1日には保険適用にこぎ着けた.
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