連載 イチから学び直す医療統計・第4講
ランダム化とは
長島 健悟
1
,
木村 流星
1
,
佐藤 泰憲
2
Kengo NAGASHIMA
1
,
Ryusei KIMURA
1
,
Yasunori SATO
2
1慶應義塾大学病院臨床研究推進センター生物統計部門
2慶應義塾大学医学部生物統計学
キーワード:
単純ランダム化
,
層別ランダム化
,
ブロックランダム化
,
適応的ランダム化
,
クラスターランダム化
Keyword:
単純ランダム化
,
層別ランダム化
,
ブロックランダム化
,
適応的ランダム化
,
クラスターランダム化
pp.1097-1103
発行日 2025年6月14日
Published Date 2025/6/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293111097
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ランダム化比較試験(RCT)の成功には,試験の科学的妥当性と倫理的配慮を両立させることが重要である.RCTの核心であるランダム化は,介入群と対照群間の公平な比較を可能にし,バイアスを最小限に抑えるための不可欠な手法である.しかしながら,その実施には慎重な計画が求められる.特に,試験結果に影響を与える予後因子のバランスを確保すること,クラスターランダム化における混交の回避,適切なサンプルサイズの確保が課題となる.これらの課題に対応するため,試験デザインにおいては目的に応じたランダム化手法の選定と統計解析方法の工夫が必要である.さらに,RCTの実施にあたっては,倫理的側面も考慮しなければならない.本稿を通じて,RCTの設計および実施における重要なポイントを明確にし,臨床研究の質の向上につながる指針を提供することを目指す.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.