Japanese
English
特集 科学的根拠に基づくがん検診UPDATE 2025
胃がん検診の課題
-――対策型検診を中心に
Issues in population-based screening for gastric cancer
加藤 勝章
1
,
千葉 隆士
1
,
淺沼 清孝
1
Katsuaki KATO
1
,
Takashi CHIBA
1
,
Kiyotaka ASANUMA
1
1宮城県対がん協会がん検診センター
キーワード:
胃X線検診
,
胃内視鏡検診
,
検診間隔
,
ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)
,
リスク層別化
Keyword:
胃X線検診
,
胃内視鏡検診
,
検診間隔
,
ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)
,
リスク層別化
pp.956-960
発行日 2025年3月22日
Published Date 2025/3/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292120956
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国の指針では,対策型胃がん検診として,原則50歳以上の住民を対象に,2年1回の胃X線検査あるいは胃内視鏡検査を実施することとされている.ただし,胃X線検診は当分の間40歳以上・1年1回の実施も可である.この “当分の間” が “いつまで” で,“今後どのように扱うべきか” は胃X線検診が抱える大きな課題であり,胃内視鏡検診の普及,胃がん罹患率や死亡率の動向などを踏まえて議論する必要がある.胃内視鏡検診は精度管理体制にいまだ問題を抱えている.日本消化器がん検診学会から新たに『対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル2024改訂第2版』が上梓されたところであり,これを参考に適正な精度管理体制が整備されることを期待したい.胃がんの罹患率および死亡率はともに減少傾向にある.ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染状況を踏まえれば,従来型の胃がん検診の提供体制は非効率的になりつつある.H. pylori感染状況を考慮した胃がん予防対策やリスク層別化の検診への応用が期待される.

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