特集 外来でできる運動器疾患に対する最先端保存療法
変形性膝関節症に対する脂肪由来幹細胞を利用した関節内注射療法の実際
桑沢 綾乃
1
,
仁平 高太郎
1
1埼玉協同病院整形外科関節治療センター
キーワード:
変形性膝関節症(osteoarthrosis of the knee;膝OA)
,
間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells;MSC)
,
脂肪組織由来幹細胞(adipose tissue derived stem/stromal cell;ADSC)
,
脂肪由来間葉系幹細胞による関節内投与療法(adipose-derived MSC療法;ASC療法)
Keyword:
変形性膝関節症(osteoarthrosis of the knee;膝OA)
,
間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells;MSC)
,
脂肪組織由来幹細胞(adipose tissue derived stem/stromal cell;ADSC)
,
脂肪由来間葉系幹細胞による関節内投与療法(adipose-derived MSC療法;ASC療法)
pp.71-80
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001940
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・脂肪組織由来幹細胞(adipose tissue derived stem/stromal cell;ADSC)は組織修復作用や抗炎症作用などの免疫調整能力に優れた細胞であり,変形性関節症の症状改善に効果がある。その間葉系幹細胞のなかでもADSCは採取が低侵襲かつ簡便に実施できるため有力な細胞源である。
・脂肪由来間葉系幹細胞による関節内投与療法(ASC療法)では,変形が軽度なKellgren-Lawrence(KL)分類grade 2ではKOOSスコアの経過も経時的に改善し,軟骨の修復が得られる症例もある。
・ASC療法のOMERACT-OARCI基準における有効率は,KL分類grade 2/3は有効率50~60%であるが,grade 4では30%台と有意に低く,重度OAでは効果が乏しい。
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