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第1土曜特集 生殖医学――基礎研究と実地診療の進歩
ここまで進んだ精子選択技術
The advancements in sperm selection techniques
虎谷 惇平
1
,
立花 眞仁
1
Jumpei TORATANI
1
,
Masahito TACHIBANA
1
1東北大学大学院医学系研究科周産期医学分野
キーワード:
顕微授精(ICSI)
,
IMSI
,
PICSI
,
ZyMōt®
Keyword:
顕微授精(ICSI)
,
IMSI
,
PICSI
,
ZyMōt®
pp.913-918
発行日 2024年12月7日
Published Date 2024/12/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291100913
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自然妊娠においては,射精された精子は卵管を通過する過程で選別され,受精能力や胚発育に優れたものだけが卵子と受精する機会を得ていると考えられている.生殖補助医療(ART)における精子選別の目的は,このような体内での自然な精子選別過程を再現することである.顕微授精(ICSI)を必要とするカップルに対して,質の高い精子をより正確に選別する技術の導入は,治療結果の向上に寄与する合理的なアプローチであると考えられ,さまざまな精子の特性を利用した選別法とART成績は常に議論の対象となってきた.近年,ICSIにおいて高い生殖能力を有する精子を選別するための方法として,強拡大顕微鏡を用いたIMSI(intracytoplasmic morphologically selected sperm injection)や,ヒアルロン酸を利用したPICSI(physiologic ICSI),ZyMōt®などのマイクロ流体技術を用いた方法などが報告されている.本稿では,これらの高度な精子選択技術の原理や有効性について概説する.
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