Japanese
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連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.3
前立腺癌術後腹圧性尿失禁に対する自己脂肪組織由来幹細胞投与による再生医療の取り組み
Regenerative medicine using autologous adipose derived stem cells for stress urinary incontinence after prostate cancer surgery
増田 均
1
Hitoshi MASUDA
1
1国立がん研究センター東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科
キーワード:
培養脂肪幹細胞
,
前立腺癌
,
腹圧性尿失禁
,
足場脂肪
,
バルキング
Keyword:
培養脂肪幹細胞
,
前立腺癌
,
腹圧性尿失禁
,
足場脂肪
,
バルキング
pp.629-636
発行日 2024年11月23日
Published Date 2024/11/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291080629
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SUMMARY
前立腺癌術後尿失禁の主要因は,外尿道括約筋機能の低下である.術後1年以上が経過した後,骨盤底筋群体操および薬物治療に抵抗性の軽症~中等症尿失禁患者を対象に,残存括約筋周囲に自己脂肪組織由来幹細胞を注入し,残存機能の改善を期待する臨床研究を開始した.
前臨床として,腹圧性尿失禁モデル(LOXL1-KOラット)を用いて,ラット由来培養脂肪幹細胞を尿道周囲組織へ移植し,尿道抵抗の有意な上昇および移植細胞の平滑筋細胞への分化を確認した.
再生医療安全性確保法のもと,がんセンターで局麻下に10~30mLの皮下脂肪を吸引し,院外の細胞培養加工施設(CPC)で脂肪幹細胞の分離・培養・品質確認を行い,5~6週間後に約5×107個の脂肪幹細胞をがんセンターで半分に分けて,内視鏡下に,幹細胞のみと,吸引脂肪と混ぜた幹細胞をそれぞれ括約筋部に注入している(jRCTb030220456).培養の場合,吸引脂肪が少なく,また,注入する幹細胞の量を規格化できる.8例が終了し,定期的にパッドテスト,問診票を経過観察中である.
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