FORUM 戦争と医学・医療②
永年の侵略や戦禍に翻弄されたアフガニスタンの現状と対策
レシャード カレッド
1,2
1認定特定非営利活動法人カレーズの会
2医療法人社団健祉会
pp.235-236
発行日 2024年10月19日
Published Date 2024/10/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291030235
- 有料閲覧
- 文献概要
アフガニスタンの歩んできた過去
アフガニスタンは1979年に旧ソビエト連邦の侵略を受けて,十年間で約150万人の市民が犠牲となり,国のすべての基礎が破壊された.ソ連軍は,欧米の支援を受けていた “ムジャヒディン” と呼ばれるイスラム勢力の抵抗を受け,勝利の見えない戦いをあきらめ,撤退することになった.この戦禍と犠牲はソ連の権威をも脅かし,ソ連崩壊の遠因となった.ソ連撤退後,アフガニスタンに対する欧米の関心が薄れたため,提供されたが使用せずに残された武器を利用してムジャヒディン間の内紛が勃発し,さらなる犠牲を出すことになった.そこで,国民の不満に応える形でタリバン政権が発足することになったが,政治的なノウハウを知らないタリバン政権の期待外れの政策と管理不備の結果,2001年の同時多発テロをはじめ世界情勢に不安をもたらす存在となっていく.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.