Japanese
English
TOPICS 細胞生物学
下垂体バソプレシンが生み出す頑強な概日時計
-――時差ボケ改善を目指して
Robust circadian clock built by pituitary vasopressin
山口 賀章
1
Yoshiaki YAMAGUCHI
1
1関西大学化学生命工学部生命・生物工学科
pp.141-142
発行日 2024年10月12日
Published Date 2024/10/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291020141
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頑強な概日時計が生み出してしまう時差ボケ
「夜中に目が覚めてトイレに行ったら電灯の明かりを朝だと誤認してしまい,それ以降眠れなくなった」というような,体内時計の時刻(位相)がいっぺんにすっかり変動してしまうということは起こらない.これは,我々に内在する概日リズムが,明暗や温度などの環境の変化という外乱に対し非常に頑強なためである.この頑強性は欧米へ渡航した際に時差ボケに悩まされることで実感できる.慢性的な時差ボケ状態が継続するシフトワーカーでは,がんや生活習慣病のリスクが高まることが疫学研究で示され,喫緊の課題となっている1,2).
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