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第1土曜特集 性差医学の現在地――最新知識とエビデンス
ジェンダー統計
Gender statistics
河野 銀子
1
Ginko KAWANO
1
1九州大学男女共同参画推進室
キーワード:
男女共同参画
,
公的統計
,
ジェンダー統計
Keyword:
男女共同参画
,
公的統計
,
ジェンダー統計
pp.935-941
発行日 2024年9月7日
Published Date 2024/9/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290100935
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本稿の目的は,日本のジェンダー統計をめぐる議論を整理し,現状と課題を検討することにある.まず “ジェンダー統計” の定義を確認し,次にジェンダー統計に関する国際動向を整理し,3回の転換点があることを捉えた.性別欄に性的指向・性自認(SOGI)を含む区分を導入した国々がある一方で,日本の政策に “ジェンダー統計” が位置づけられたのは2015年ごろからで,男女別統計の整備途上(第2の転換点)であることを明らかにした.また,「ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループ」の議事録などを分析し,性別欄廃止を支持しない点では一致したが,多様な性への配慮方法(ジェンダーの範囲や性別の尋ね方など)では一致しなかったことを明らかにした.最後に,保健衛生におけるジェンダー統計の現状を捉え,業務統計中に性別を3区分としている統計があることを見出した.これらの動きを踏まえ,日本のジェンダー統計が第3の転換点の入口に差し掛かっていることを指摘し,今後の議論の必要性を論じた.
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