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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
内分泌疾患と診療科連携
内分泌疾患の移行期医療
-――小児科医師と成人診療科医師に必要な視点
Health care transition of endocrine disorders
――Pivotal perspectives for pediatric and adult endocrinologist
長谷川 行洋
1,2
Yukihiro HASEGAWA
1,2
1東京都立小児総合医療センター内分泌・代謝科
2東京都保健医療公社多摩北部医療センター小児科
キーワード:
移行期医療
,
内分泌疾患
,
患者教育
,
自立支援
Keyword:
移行期医療
,
内分泌疾患
,
患者教育
,
自立支援
pp.836-842
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090836
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“移行期医療” は,小児期医療から個々の患者に相応しい成人期医療への移り変わりを計画的に行う医療と定義される.この医療では “疾患教育” と “自立支援” が重要な要素であり,これらは小児科医師と成人診療科医師との協働により行われる.小児内分泌疾患の多くは移行期医療の対象となる.日本小児内分泌学会は日本内分泌学会などと連携を取りながら移行期医療を推進している.同学会のHPには,小児期発症内分泌疾患の成人への移行期医療に関する提言,成人期までの自立支援を中心とする診療ロードマップ,疾患ごとの移行期医療支援ガイドが掲載されている.移行期医療の実務面では,移行期・若年成人期に対象疾患で知られる,たとえばターナー症候群での大動脈拡張のような重篤な合併症の確認が肝要である.移行期医療の推進のためには,小児科医がその必要性を認識し,小児科と成人診療科の相違点を理解したうえで,成人診療科医と顔の見える連携を図ることが重要である.
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