Japanese
English
第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
視床下部・下垂体
GH治療の歴史と展開
History and future development of growth hormone treatment
水野 晴夫
1
Haruo MIZUNO
1
1藤田医科大学医学部小児科学
キーワード:
成長ホルモン(GH)治療
,
適応症
,
下垂体機能低下症
,
移行期医療
Keyword:
成長ホルモン(GH)治療
,
適応症
,
下垂体機能低下症
,
移行期医療
pp.649-653
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090649
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
世界ではじめて成長ホルモン分泌不全(GHD)性低身長症患者にヒト成長ホルモン(hGH)治療がなされてから,かなりの時間が経過した.その後,適応症が拡大されていったが,その多くは小児期に診断され,治療介入がなされている.近年では,長時間作用型成長ホルモン(LAGH)が使用できるようになり,新たな時代に入った.当初の目的であった身長を促進する作用のみではなく,成長ホルモン(GH)は生涯にわたって分泌され,代謝ホルモンとしての役割を担っていることも重要視されるようになってきた.ただし,それぞれの疾患や状態・重症度などによっても,その長期的な効果や気にするべき副作用にも違いがあることを念頭におく必要がある.LAGHの適応症も拡大していくことが予想されるが,効果や安全性のデータの蓄積は今後の課題である.また,小児から成人への移行期の医療についても未解決の課題があり,今後,小児科と成人科との共同での研究は不可欠である.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.