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第1土曜特集 乳癌のすべて2024
最新の治療
乳癌治療における支持医療
Supportive care in breast cancer treatment
飯原 大稔
1
,
渡邉 大地
1
,
丹羽 隆
1
Hirotoshi IIHARA
1
,
Daichi WATANABE
1
,
Takashi NIWA
1
1岐阜大学医学部附属病院薬剤部
キーワード:
乳癌
,
悪心・嘔吐(CINV)
,
末梢神経障害(CIPN)
,
好中球減少
,
発熱性好中球減少症(FN)
Keyword:
乳癌
,
悪心・嘔吐(CINV)
,
末梢神経障害(CIPN)
,
好中球減少
,
発熱性好中球減少症(FN)
pp.438-442
発行日 2024年8月3日
Published Date 2024/8/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290050438
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適切な支持医療を受けることで,患者は治療による副作用をより上手く管理でき,計画どおりの抗癌薬治療を完遂する可能性が高まる.結果として,より高い生活の質を維持することができる.癌薬物療法と支持医療は車の両輪のように,一体となって治療の効果を最大限に高めることが重要である.本稿では,乳癌の薬物療法において頻繁に遭遇する,癌薬物療法における有害事象対策の現状と課題として,癌薬物療法に伴う悪心・嘔吐(CINV),癌薬物療法に伴う末梢神経障害(CIPN),癌薬物療法に伴う好中球減少症について概説する.これらの有害事象への対処法は一定程度確立されているが,未解決の課題も残される.制吐療法は抗癌薬の催吐リスクに応じて最適化される必要がある.また,末梢神経障害への運動療法や冷却療法,薬物療法の位置づけを明確化することが求められている.さらに好中球減少症に対しては,顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)や抗菌薬の適正使用を推進する必要がある.新規薬剤の登場に伴い,支持医療においてもエビデンスに基づく対策の再構築が重要な課題となっている.
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