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特集 量子生命科学の医学領域への展開
量子計測技術としての超偏極MRI/MRSの開発と脳エネルギー代謝評価による精神神経疾患の病態研究への応用
Development of hyperpolarized MRI/MRS as a quantum measurement technology and its applications for brain disorders
髙草木 洋一
1,2,3
,
高堂 裕平
1,2
Yoichi TAKAKUSAGI
1,2,3
,
Yuhei TAKADO
1,2
1量子科学技術研究開発機構量子生命科学研究所
2同量子医科学研究所
3千葉大学大学院
キーワード:
超偏極
,
核磁気共鳴画像法(MRI/MRS)
,
エネルギー代謝
,
精神神経疾患
,
アルツハイマー病(AD)
Keyword:
超偏極
,
核磁気共鳴画像法(MRI/MRS)
,
エネルギー代謝
,
精神神経疾患
,
アルツハイマー病(AD)
pp.276-279
発行日 2024年7月27日
Published Date 2024/7/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290040276
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超偏極は,核磁気共鳴画像法(MRI/MRS)の最大の弱点である感度の低さを克服する量子計測技術として注目されている.核磁気共鳴(NMR)で観測可能な核種によって標識した分子プローブを創製し,動的核偏極(DNP)によって高感度化後に生体内へ速やかに投与すると,生体内の酵素によって司られる代謝反応をリアルタイムで可視化することが可能である.これを応用し,がんや脳エネルギー代謝に関する代謝反応をMR画像上へ描出,あるいはスペクトル上へ描出してその代謝比や反応速度定数などを算出することで,生体内における代謝を可視化あるいは定量化することが可能となってきた.本稿では,40年以上前から開発が進められ,腫瘍や脳疾患で幅広く利用が進んでいるFDG-PET(fluorodeoxyglucose-positron emission tomography)に補完的な技術となる,高いポテンシャルを有する超偏極MRI/MRSの概要と精神神経疾患への応用の可能性について解説する.
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