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第1土曜特集 “かたちづくり” を制御する分子メカニズム
形態形成と病態・疾患
神経オルガノイドによってみえてくるヒト脳組織の形態形成および病態再現
Uncovering morphogenesis and pathophysiology related to human brain tissue using neural organoid technology
坂口 秀哉
1
Hideya SAKAGUCHI
1
1理化学研究所生命機能科学研究センター 理研BDR–大塚製薬連携センター神経器官創出研究(坂口研究室)
キーワード:
神経オルガノイド
,
ヒト多能性幹細胞
,
自己組織化
Keyword:
神経オルガノイド
,
ヒト多能性幹細胞
,
自己組織化
pp.123-128
発行日 2024年7月6日
Published Date 2024/7/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290010123
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近年の幹細胞研究の著しい進歩によって,臓器のような組織を三次元で作製することが実験レベルで可能となってきており,そのような組織をオルガノイドとよぶ.筆者らはこれまでに無血清凝集浮遊培養法(SFEBq)という分化誘導法を用いて,世界に先駆けてヒト胚性幹細胞(ES細胞)由来の大脳皮質,海馬,脈絡叢,脊髄オルガノイドの分化誘導を達成してきた.これは生体と同じような構造を有した三次元組織として,ヒト由来の神経組織を提供できる画期的な技術であり,将来的にはヒト生物学の基礎研究だけでなく,疾患モデリング,創薬スクリーニング,再生医療などの応用研究にも寄与するものと考えられる.本稿では神経オルガノイドで観察可能となる,神経領域での “かたちづくり” の現象を中心に紹介し,そこから実現可能となる疾患研究もあわせて紹介する.
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