Japanese
English
第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管疾患と血管を標的とした治療法
糖尿病性血管障害の発症機序と予防方法
Mechanisms and prevention for diabetic vascular disease
大塚 憲一郎
1
,
福田 大受
1
Kenichiro OTSUKA
1
,
Daiju FUKUDA
1
1大阪公立大学大学院医学研究科循環器内科学
キーワード:
インスリン抵抗性
,
動脈硬化症
,
自己由来DNA
,
Toll様受容体(TLR)9
,
cGMP-AMP synthase(cGAS)-stimulator of interferon genes(STING)
Keyword:
インスリン抵抗性
,
動脈硬化症
,
自己由来DNA
,
Toll様受容体(TLR)9
,
cGMP-AMP synthase(cGAS)-stimulator of interferon genes(STING)
pp.1151-1155
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131151
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
加齢や肥満,糖尿病などの生活習慣病により,代謝関連臓器や血管組織の細胞が傷害されると,核DNAやミトコンドリアDNA(mtDNA)の損傷が生じる.これらの障害により,DNA断片が蓄積,あるいは血液中へ遊離すると,種々のDNAセンサーが活性化し,炎症反応が惹起される.本来,これらの反応は細菌などの外来性DNA断片に対する生体反応である.近年の研究により,遊離した自己由来のDNA断片に起因するDNAセンサーの活性化が,血管病を含めたさまざまな炎症性疾患の病態に関与することが明らかとなった.本稿では,DNAセンサーのなかでもエンドソームに局在するToll様受容体(TLR)9と細胞質内に存在するcGMP-AMP synthase(cGAS)-stimulator of interferon genes(STING)が,心血管疾患の病態に及ぼす役割,さらに近年の血管炎症を標的とした画像診断と治療について概説する.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.