Japanese
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特集 CKD患者の栄養管理update
栄養障害の特徴
糖尿病性腎症患者
Nutritional disturbance in diabetic nephropathy
𦚰野 修
1
WAKINO Shu
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部腎臓内科学分野
キーワード:
糸球体過剰濾過
,
たんぱく質制限
,
インスリン抵抗性
,
食物繊維
,
サルコペニア
Keyword:
糸球体過剰濾過
,
たんぱく質制限
,
インスリン抵抗性
,
食物繊維
,
サルコペニア
pp.23-30
発行日 2024年1月25日
Published Date 2024/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001156
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はじめに
糖尿病性腎症の栄養療法は,非糖尿病の慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)とは異なったものとなる。なぜなら,糖尿病自体が代謝性疾患であり,エネルギー利用,栄養利用の異常がその基盤にあるからである。栄養療法はただその病態を改善するために栄養素を補充したり,不要なもしくは病態を悪化させる栄養素を制限して投与するだけでは不十分であり,その栄養素が投与されたのちの消化,吸収,そして体内での代謝も考えなければならない。すなわち糖尿病性腎症での食事療法は,その代謝異常も考慮しなければならない。その点が,確実に効果が期待できる薬物療法との大きな違いである。薬物投与でさえ,体内動態を考慮しなければならないわけであるから,食事を中心とした栄養療法における体内動態の考慮は言わずもがなである。本稿では糖尿病性腎症患者の栄養療法,食事療法を考える際に考慮しなければならない病態を説明する。栄養療法の実際については本特集の後半に具体的な記述があることから,ここでは記載しない。
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