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第1土曜特集 リンパ腫――病態研究と診療の最新知見
臨床の話題
マントル細胞リンパ腫(MCL)における新規治療
New and emerging therapies in mantle cell lymphoma
田代 裕介
1
Yusuke TASHIRO
1
1京都大学医学部附属病院血液内科
キーワード:
マントル細胞リンパ腫(MCL)
,
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬
,
イブルチニブ
Keyword:
マントル細胞リンパ腫(MCL)
,
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬
,
イブルチニブ
pp.670-675
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289090670
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マントル細胞リンパ腫(MCL)は,t(11;14)(q13;q32)に伴うサイクリンD1の過剰発現で特徴づけられるB細胞腫瘍であり,疾患頻度の希少性から標準治療が確立されていない,予後不良な疾患群である.MCLの治療は従来,多剤併用化学療法が行われてきた.最近では,第一世代ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるイブルチニブに続いて,次世代BTK阻害薬,ベネトクラクス,レナリドミド,キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法などの新規治療法による有効性が次々と報告されている.わが国では,再発・難治例に対して承認されていたイブルチニブが,高齢初発例に対してもBR(ベンダムスチン/リツキシマブ)療法との併用で有効性を示し,適応拡大が承認されたため,注目されている.現在,新規治療法や組み合わせ療法の臨床試験が進んでいる.新規薬剤を含めて,初回治療からどのような組み合わせ・戦略で治療するのが最適であるかを明らかにしていくことが,今後のMCLにおける課題である.
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