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第1土曜特集 リンパ腫――病態研究と診療の最新知見
診断の進歩
リンパ腫における病理診断の進歩
Progress of pathologic diagnosis in malignant lymphoma
中村 直哉
1
Naoya NAKAMURA
1
1東海大学医学部基盤診療学系病理診断学
キーワード:
悪性リンパ腫
,
病理診断
,
肉眼診断
,
顕微鏡診断
,
科学的診断
Keyword:
悪性リンパ腫
,
病理診断
,
肉眼診断
,
顕微鏡診断
,
科学的診断
pp.623-626
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289090623
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リンパ腫が最初に報告されてから200年近くになり,その間にリンパ腫の病理診断がどのように変遷したか,概説した.1832年にHodgkinが報告したのは剖検例の肉眼診断になる.19世紀末からホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE)を薄切,染色する技術が広まると,顕微鏡診断がはじまった.1980年代からサザン法による遺伝子解析や凍結切片を用いた免疫組織化学が用いられるようになると,形態診断に科学的なアプローチを加えた多角的病理診断の時代になった.現在は形態診断とフローサイトメトリー(FCM)あるいはFFPEを用いた免疫組織化学による免疫形質の検索をリンパ腫全例に行い,ときに染色体分析と免疫グロブリン遺伝子,T細胞受容体(TCR)遺伝子の検索も行われている.さらに血中遊離DNAの検索も可能になり,血液腫瘍にターゲットNGS(next generation sequencing)法による遺伝子パネル検査が間近に迫ってきた.
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