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第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
疾患と細胞死
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と細胞死
Regulated cell death in non-alcoholic steatohepatitis
田中 稔
1
Minoru TANAKA
1
1国立国際医療研究センター研究所細胞組織再生医学研究部細胞療法開発研究室
キーワード:
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
,
アポトーシス
,
ネクロプトーシス
,
フェロトーシス
Keyword:
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
,
アポトーシス
,
ネクロプトーシス
,
フェロトーシス
pp.481-487
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305481
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肝疾患の要因は薬物やアルコールの過剰摂取,ウイルス感染,自己免疫,代謝異常など多岐にわたるが,肝臓内での細胞死と多様な免疫細胞による炎症反応が肝炎の主要な病態となる.そのため,肝疾患の病型や病期の分類においても細胞死はしばしば診断基準に用いられており,たとえば,病理所見における小葉中心性壊死,門脈周囲性壊死,巣状壊死,架橋性肝壊死,広範性肝壊死などがそれにあたる.ここで用いられる “壊死” という言葉は単に死んだ細胞を意味するが,現在,肝疾患で起こる細胞死の様式を患者検体やモデル動物を用いて詳細に解析し,得られた知見を治療戦略にいかそうとする試みが世界中で進められている.本稿では近年,注目度が高くなっている非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に関する細胞死研究について紹介する.
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