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特集 GLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1受容体作動薬――非臨床・臨床のエビデンスと実臨床における注意点
肥満症に対するエビデンスと注意点
Evidences for obesity disease, and clinical concerns
小幡 佳也
1
,
西澤 均
1,2
,
下村 伊一郎
1
Yoshinari OBATA
1
,
Hitoshi NISHIZAWA
1,2
,
Iichiro SHIMOMURA
1
1大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学
2同代謝血管学寄附講座
キーワード:
肥満症
,
体重減少効果
,
適正使用
Keyword:
肥満症
,
体重減少効果
,
適正使用
pp.991-998
発行日 2024年3月23日
Published Date 2024/3/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28812991
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2型糖尿病に適応のあるGLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬(GLP-1 RA)は優れた体重減少効果があり,肥満症を有する2型糖尿病患者に広く用いられている.2023年4月,強力な体重減少効果のあるGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)/GLP-1共受容体作動薬チルゼパチド(マンジャロ®)が2型糖尿病に対して使用可能となった.さらに2023年11月,糖尿病の有無にかかわらない肥満症治療薬として,セマグルチド(ウゴービ®)が保険適用となった.欧米では,高用量のGLP-1 RAのみならずチルゼパチドも2023年11月に肥満症治療薬として承認された.その他,新たな治療薬が次々と開発されており,肥満症治療はまさに大きなパラダイムシフトを迎えている.一方,美容,痩身,ダイエットなどを目的とした適応外使用をはじめ,これらの治療薬の不適正使用が大きな問題となっている.治療医学の対象となるのは単なる肥満ではなく肥満症であり,これら革新的な治療薬の厳格な適正使用が求められる.
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