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第1土曜特集 成人診療医にも知ってもらいたい小児神経疾患診療のポイント
神経筋疾患
-――ジストロフィン異常症
Neuromuscular diseases
――Dystrophinopathies
齊藤 利雄
1
Toshio SAITO
1
1国立病院機構大阪刀根山医療センター小児神経内科
キーワード:
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
,
集学的治療
,
長期生存
,
移行医療
,
生活支援・社会支援
Keyword:
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
,
集学的治療
,
長期生存
,
移行医療
,
生活支援・社会支援
pp.715-720
発行日 2024年3月2日
Published Date 2024/3/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28809715
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ジストロフィン異常症の主たる病型であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の原因はXp21.2に存在するジストロフィン遺伝子の病的バリアントである.X連鎖潜性(劣性)遺伝形式をとる本疾患は,幼少期からの筋力低下で10歳前後に歩行能を失い,その後も筋力低下が進行する重篤な疾患である.経過中は慢性呼吸不全,心不全,骨格変形,栄養障害など種々の合併症状に対して人工呼吸療法,心保護治療,リハビリテーション,整形外科的治療,栄養管理など集学的治療で対処する.近年は,遺伝子導入治療やロボットスーツによるリハビリテーションなど,新規治療の選択肢もでてきた.かつて成人を迎えることなく死亡していたDMD患者の年齢が30歳を超すことは普通のこととなり,長期生存に伴い,移行医療,合併症の長期管理,生活支援・社会支援,介護者負担など,新たな課題がでてきている.
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