Japanese
English
第1土曜特集 膠原病のすべて
膠原病各疾患の診断と治療の進歩
成人発症スティル病
Adult-onset Still’s disease
金子 祐子
1
Yuko KANEKO
1
1慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科
キーワード:
成人発症スティル病
,
マクロファージ活性化症候群(MAS)
,
炎症性サイトカイン
,
IL-6阻害薬
Keyword:
成人発症スティル病
,
マクロファージ活性化症候群(MAS)
,
炎症性サイトカイン
,
IL-6阻害薬
pp.451-455
発行日 2024年2月3日
Published Date 2024/2/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28805451
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
成人発症スティル病は発熱,皮疹,関節炎を主徴として,肝障害,リンパ節腫脹,脾腫など全身の臓器に炎症をきたす疾患である.病態は完全には明らかになっていないが,病原体や内在性因子がToll様受容体(TLR)を介してマクロファージを主体とする自然免疫系を刺激し,異常活性化を引き起こすと考えられている.治療の中心はグルココルチコイド(GC)の全身投与で,反応性は良好なことが多いが,GC減量に伴って再燃する例も多く,また炎症がコントロールできずマクロファージ活性化症候群(MAS)から播種性血管内凝固症候群(DIC)や多臓器不全をきたして致死的になる重篤例も存在する.近年,わが国ではIL-6阻害薬が,欧米ではIL-1阻害薬が炎症改善効果やステロイド減量効果を示して承認され,治療の幅が広がってきた.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.