Japanese
English
第1土曜特集 膠原病のすべて
膠原病各疾患の診断と治療の進歩
ベーチェット病の自然史ならびに病態理解と治療の進歩
Advances in understanding the natural history, pathophysiology and treatment of Behçet’s disease
河野 肇
1
Hajime KONO
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
ベーチェット病(BD)
,
自然史
,
TNF阻害薬
,
ホスホジエステラーゼ-4(PDE4)阻害薬
Keyword:
ベーチェット病(BD)
,
自然史
,
TNF阻害薬
,
ホスホジエステラーゼ-4(PDE4)阻害薬
pp.447-450
発行日 2024年2月3日
Published Date 2024/2/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28805447
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ベーチェット病(BD)は再発性多発性口腔潰瘍を特徴とする全身性の炎症性疾患である.シルクロード沿いで有病率が高く,日本の2022年度の有病率は10万人あたり12.4人であった.BDの診断は口腔潰瘍,皮膚症状,眼症状,外陰部潰瘍などの臨床的基準に基づく.最近,BDの長期臨床経過(自然史)では,疾患活動性が年齢とともに低下し,診断後の症状の有病率も下がることが示された.遺伝的感受性はHLA-B51やその他の分子の多型と関連しており,ERAP1(endoplasmic reticulum aminopeptidase 1)などの遺伝子多型が病態形成に関与している.治療においては炎症の増悪と再発を抑制し,失明などの不可逆的な臓器障害の予防が目標となる.コルヒチン,アプレミラスト,副腎皮質ステロイド,TNF阻害薬などが用いられ,今後の新しい治療法としてIL-1β阻害薬などの有効性が示されている.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.