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連載 臨床医のための微生物学講座・Vol.1
大腸菌
Escherichia coli
佐々木 雅一
1
Masakazu SASAKI
1
1東邦大学医療センター大森病院臨床検査部
キーワード:
腸管出血性大腸菌(EHEC)
,
ベロ毒素
,
基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)
Keyword:
腸管出血性大腸菌(EHEC)
,
ベロ毒素
,
基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)
pp.318-322
発行日 2024年1月27日
Published Date 2024/1/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28804318
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◎大腸菌は腸内細菌目細菌に属する細菌であり,尿路感染症や腹腔内感染症,腸管感染症などさまざまな感染症の原因として知られる.単純性尿路感染症では大腸菌が原因菌の多くを占めており,軽症例では微生物学的検査を行うことなく治療することが一般的となっている.しかし,世界的に第三世代セファロスポリンへの耐性化が進みつつあるなかで抗菌薬適正使用を推進するために,重症度の高い症例では起因菌同定と薬剤感受性検査の実施が重要となる.また,腸管感染症の大腸菌検査では古くからO抗原,H抗原を組み合わせた抗原検査が用いられてきたが,病原性と直接結びつくものではないため解釈に誤解を招く恐れがあった.しかし,マルチプレックスPCR機器の登場により迅速に正しい解釈が可能となるかもしれない.
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